福島の子供たちのショートステイ

  7月24日〜8月8日


昨夏に続いて、今年も福島県の子供たちを招待しました。
8日間ずつ2期に分かれ、合計72名が殿下地区を訪れました。
期間中は、海に、山に、川に、地元の自然を満喫してもらえたと思います。
題して、「2012夏 殿下の自然つるつるいっぱい」
子供たちの胸からこぼれんばかりの、充実した日々をプレゼントしたい、
ネーミングには、地元の方々のそんな願いが込められています。
そして、地元に限らず、本当に沢山の方々が運営を支えていらっしゃいました。

海に山に川にというのは、今までだったら、いつもの夏休みなんでしょう。
ただ、原発の事故が、海に山に川に、暗い影を落としているのです。

福島へ帰って行かれた保護者の方から、次のような写真が届きました。


いただいたのは南相馬市の現在の様子ですが、
福島市や郡山市など、原発から離れた地域でも、まだまだ元通りとはいかないようです。
洗濯物を外に干したいけれど… 公園でおもいきり遊ばせたいけれど… 給食の牛乳を飲ませたいけれど…
いろんな葛藤の中で、毎日生活しておられることを直接聞かせていただきました。
放射線から子供たちをできるだけ遠ざけてあげたいという気持ちと、
縮こまらずにのびのび遊ばせてあげたいという2つの気持ちが、
ご自身の中でも、また福島全体でも、せめぎあっているのだと聞かせてもらいました。


そして、保護者の皆さんや子供たち、関西からボランティアに来てくれた学生さんたちなどから、感想が届き始めています。

保護者 本当に大変お世話になりました。私たち親子にとって、殿下は一生忘れられないところになりました。「目には見えない大切なもの」を改めて考えさせられた時間でした。このきれいにできた心を、できるだけ守って生きて行かなきゃ!と思います。なかなかお世話になった皆様それぞれにお伝えすることができませんので、よろしくお伝え下さいませ。
学生 一度も見たことのない虫がたくさんいました。
福島の子が楽しそうに石を削りながら「今までこんな遊びしたことなかったなぁ」と言っていたのを耳にしました。実は身近にたくさん遊び道具が隠れていても、市場で売られている遊び道具が溢れているせいで、それに気づいていないのかもしれないなぁと思います。自然にあるものを使って子供たちは喜んで遊んでいました。
学校給食で残飯が出ないのは、作っている人が地元の人だから、と聞いて本当に素晴らしいことだと感じました。車にカギをかけないのにも驚きました。
有線の存在はとても面白いと思いました。回覧板や掲示板、新聞などは読まないと意味がないので、有線は便利だと思いました。ラジオ体操、民謡レッスン、ソフトバレー、お寺のお参りなど、五日間の滞在中だけでも、地域の人と一緒に集まる機会がとても多いと思いました。
保護者 殿下の皆様には大変お世話になり、ほんとうにありがとうございました。福井の方々のおかげでほんとうに楽しい夏休みの思い出が出来ました。何の心配も無く外で遊べるのはほんとうに幸せですね・・・
皆様が忙しい時間をやりくりしながら子供達に沢山の経験をさせてくれた事、ほんとうに感謝しています。環境が許す状況になりましたら是非とも殿下の方にも福島にも来て頂きたいと思います。スタッフのみなさん、学校関係、児童クラブの皆さんなどほんとうに沢山の殿下の皆様、ありがとうございました。
子供 福井に行ったときはお世話になりました。 ありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ
たくさんいい思い出ができて嬉しいです!来年も殿下にホームステイが出来たらいいな。と思ってます( ^ω^)ホントにありがとうございました(・∀・)
保護者 命の授業、海水浴、ジェットスキー、ホームステイ、なかなか出来ない貴重な経験をさせていただきました。子供から「あっという間の8日間だった!福島に帰りたくなかったよ…」と話を聞きました。皆様に良くしていただけたこと、本当に感謝しています。本当にありがとうございました。
保護者 今年の夏も大変お世話になり、ありがとうございました。帰ってきた子供たちは興奮しながら(我先に話そうとする・・・。)主人や知人に殿下の話をしています。「つるつるいっぱい」名前どおり盛りだくさんの内容に大満足でした。また私たちの細かい要望を、快くきいて下さりとても感謝しております。沢山のご苦労があった事と思います。本当にお疲れ様でした。皆さんに感謝の思いで一杯です。本当にありがとうございました。学校の先生方を始め殿下の皆様にもどうぞよろしくお伝えください。
学生 短い間でしたが、ありがとうございました。殿下地区に来るまで不安もありましたが、来てみると多くの方に声をかけていただき、沢山お話することもできました。ここで感じたことはゼミ内で共有したいと思います。ただ、予定が多くて疲れがすごかったです。



一番遠い南相馬からは10時間ほどかかって到着。中学3年生から1歳の乳児まで、にぎやかな声がこだましました。




自然にまかせておくだけで、子供たちは自由にのびのびと遊んでいました。




お寺でのヒトコマです。みんなようこそ。




境内で、インストラクターさんが自然の神秘へと誘って下さいました。本当に樹木(しだれ桜)の鼓動が聞こえて、ビックリ!




事前にちょっと刺激の強い座学を行い、希望者を絞り込んで行った「命の授業」。
地元武周のおじさんと、おじさんが育てた鶏による、日本一スペシャルな授業だったと思います。




殿下の子供たちが企画して、自らお化け役になった肝だめし大会は、思い出に残る泣き笑いの交流会になりました。




大地に体をつけて、重なり合うこずえ越しに、真夏の青空を仰ぎました。