御堂修復 太鼓周り その1

  10月末から11月27日まで

平成26年4月に当寺で予定されている宗祖親鸞聖人750回大遠忌に向けて、
御内陣(おないじん・仏像などを安置してある場所)の修復をしていただきます。
家庭のお仏壇の場合は「おせんだく」と言い習わしているもので、
現在の材料や道具をそのまま使いながら、修復・再生させることを言います。
ほこりや汚れを落としたり、出来るところは解体して傷んだ部分や金具を取り替えたりするほか、
金箔やうるしを塗り直したりする作業も加わります。
当寺の本堂は、火事の後に再建されてから200年が経過しており、
下見板や柱には、年月相応の歴史がにじみ出でいます。

本堂は、美術品を安置する建物ではありません。
仏さまといい、本堂といい、つまるところお寺というのは、「お育ての力の蔵」だと思います。
私たちの体も心も、この「蔵」の歴史に支えられていることを表現するシンボルだと思います。
体は、食べ物や、太陽や、そして先祖といわれる先人方からのいただきものですね。
心も、お育てのたまものでしょう。
自分以外のものに愛情を注ぐことが出来るならば、それは無数の愛情に育てられてきた証拠だと思います。
仏像も、金箔も、うるしの艶も、みんなその「蔵」の尊さ、明るさ、無限さを表しているのでしょう。

そんな大事なシンボルを修復していくわけですが、
隙間をねらうコウモリ君やムササビ君に、大運動会をしてもらっては困るということで、
動物たちには悪いのですが、外壁の修復から取りかかっていただくことになりました。



10月30日、足場が運び込まれました。



11月5日、まずは腐った柱から。傷んだ部分を切り落とし、コンクリートと基礎石で作り直します。





11月11日撮影。修復前の様子を撮っておこうと思いまして。





11月15日。武周へ入ってきて、一番最初に見える面を修復しています。





古い外壁がはがされ、防水シートが張られています。コンクリートも乾いて、束石が入っています。



11月21日。新しい杉板が巡らされました。そして、杉の雨戸がサッシになりました。



トタンの部分も落ち着いた色に変わっています。



11月はずっと時雨模様。本当にありがとうございます。



11月23日。ここは年中まっ暗で、物置みたいになっていましたが、サッシが入って雰囲気が一変。



11月26日。つってあった太鼓が外され、ドウブチが回されました。床はコンパネで捨て張りされています。



昔、使っていた籠です。時代を感じさせますね〜