福井市武周町 西雲寺さいうんじ 真宗佛光寺派 なんまんだぶつとしだれ桜のお寺です 

 美和子が聞くお講さま 11月

11月28日

当番 ちゅうべさん


今月のお講さまは、フランスで起きた同時多発テロを例に挙げながら進められました。

弥陀仏本願念仏
邪見僑慢悪衆生
信楽受持甚以難
難中之難無過斯
(シャバに暮らす私たちが本願を持つことは難しい。難中の難。ぼぼ0%。)
正信偈には、そんな厳しいことを書いてある部分があります。

それは自分の力では無理という意味で、
こ本願は私たちの暮らしの中にあると話は続きました。

私たちがシャバで暮らしていることを、まざまざと見せつけられた同時多発テロ。私たちの日常がどれほどもろく崩れてしまうかを痛感しました。
被害者の悲しみ、苦しみは計り知れず、テロ行為は絶対に許されるものではありませんが、いけないことだと分かっていても、これだけ頻繁に起こっているのも、また、事実です。

こんな、やりきれない気持ちの中、ある被害者がテロリストに宛てた手紙が世界中に流れました。
なんと、テロリストを憎まないというのです‼
しかも、幼い彼の息子さんも憎まないと言い切っています。
憎しみの連鎖は生まれない。テロ行為は無意味だと訴えておられます。

私たちは、なかなかそんな気持ちにはなれない。それは正直な気持ちです。

苦しみをどう受け止め、乗り越えるか。

親鸞聖人は、憎まないのが正解なんだけど、憎しみが湧いてくる私たちには仏の心を持つのは無理だとはっきりと教えてくださいました。

それに加えて、仏の心になれなくても、心を受け取り続けることで救われていく方法を教えてくださいました。

前を歩く人(先人)の後ろ姿から受け取る。
人から人へと伝わる。

彼がそんなことを言えるのは、彼がすごいのではなく、彼自身がこれまで周りの方々に育ててもらった結果なんだと思います。彼に育てられる彼の幼い息子さんの中に、憎しみが生まれないのと同じように。

多分、彼は浄土真宗ではないとおもいますが、彼に親鸞聖人の教えの話をしたら、自分の考えが間違いではないことに喜ばれるかもしれませんね。

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