福井市武周町 西雲寺さいうんじ 真宗佛光寺派 なんまんだぶつとしだれ桜のお寺です 

 美和子が聞くお講さま 5月

5月28日

当番 おてら (祥月命日にあたる前坊守のオハコ・草餅)


今月のお講さまは、偶然お参りが少なかったこともあり、身近な話題を中心に進められました。
その中で、私が特に印象に残ったのは、この季節のお寺の大仕事、「ミズブキ刈り」についてです。
永代経や報恩講で、皆さんに食べていただく「おとき」に使われている「ミズブキ」は、ちょうど今の季節に山へ刈りに行きます。
お寺では一年中使えるように大量に塩漬けして保存してあります。
ミズブキ刈りは、毎年、武周の女の方にお願いしているのですが、
高齢化がすすみ、いよいよ今年、頼める人がほとんどいなくなってしまいました。
最近では、乱獲で殿下の山も山菜が乏しくなり、
ずいぶんと山奥まで、しかも何カ所も移動しなければミズブキが集まらず、
大量の荷を背負って山を歩き回るのは大変なことなのです。
どうしよう、今年は塩漬けを断念しようかとずいぶん悩んでいましたら、
それを聞きつけた武周の男の方が代わりに刈ってきて下さいました。
ミズブキは刈ってきたあとの葉っぱとりなどの修理も大変なのですが、
座ってする仕事は手伝えるからと、女の方も集まってみんなで修理して下さいました。
また、武周以外の殿下地区の方が、わざわざ刈って届けて下さいました。

私たちがどれほど嬉しく思ったか、言葉では表現できないほどです。

細々になっても、なかなか消えない。消えそうで消えない。
この「消えない」ことの素晴らしさを喜ぼう、この先どうなるか分からないけど、
今は、今出来ることを精いっぱいやろうと、話は続きました。

お寺にいると、なんとなく寂しさを感じることが多々あるのですが、
こういう出来事がありますと、皆さんのお心がとても嬉しく本当に心強いです。

今までも、これからも、本当にありがとうございます。

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