お内仏

平成16年8月29日
お内仏が入れ替えられました。新品ではありませんが。
今までのお内仏は、彫刻が次々と落下してくるという、
ちょっと直しにくい難点があったものですから、
住職が、いつとなしに入れ替えを考えていたようです。
見た目はそんなに変わらず、かえってあっさりした感じですが、
おせんたく直後の、漆のにおいが印象的でした。

今までのお内仏は、もう買い手もいないだろうから
仏壇屋さんによって燃やされるとのこと。
何か考えさせられるものがあります。
食卓で、お性抜きお性入れという言葉が話題になったとき、
愛可(娘)が、何を出し入れするんだと真顔で聞いて笑いを提供しました。
どっちもただ正信偈をあげるだけだと知って、拍子抜けしたようでした。
お性抜き、お性入れとは、
いくらモノとはいえ決して粗末にできない、そんな心の表現ですが、
実は、なぜ粗末にできないのか、なぜ大事なのかが肝心ではないでしょうか。
この問いを、声明会やお説教の場で、自分を通して考えていくとき、
仏法の言葉が、初めて自分に対する言葉として味わえることでしょう。

「一生悪を造れども弘誓に値いぬれば、安養界に至りて妙果を証せしむ」(正信偈)
「生死輪転の家にかえることは 決するに疑情をもって所止とす すみやかに寂静無為の楽に入ることは 必ず信心をもって能入とす」(正信偈)
「如来大悲の恩徳は身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳も骨を砕きても謝すべし」(ご和讃)
「親鸞は父母の孝養のためとて、一辺にても念仏もうしたること、いまだそうらわず。そのゆえは・・」(歎異抄)
毎朝、いやいやでも心を励まして、このような宗祖の言葉を聴いていきましょう。
そして、疑問をかかえて、どんどんお説教を聴きましょう。
そのなかで、ようやく聞こえてくること、言い当てられることがあるはずです。



今までお参りしてきた仏壇で最後の正信偈


仏壇が入れ替えられます


新しい仏壇で最初の正信偈


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