H18年 永代経 住職による案内文


仏法では、この世の中のことを「五濁悪世」といいます。五濁とは五つの濁りをいいますが、世の中も私自身も濁っている、ちょうど水が濁っているために水中を見通せないのと同じ状態です。その根本は、私のいのちが濁っていて、私は何を願っているのか、どうなりたいかが分からないところにあります。そのため、私たちはいのちを自己関心の中に閉じこめ、自分の思い通りにしようとしていますが、それがかえって不安や孤独感となっているのです。本来のいのちは私の存在そのものをしっかりと受け止め、生きることを喜び、感動し、また悲しむものであります。そして、いのちは私一人のものでなく、他のいのちとの広く深いつながりの中を生きているのであります。
 私たちは先祖代々から「念仏申せ」というご催促を受けてきたのです。念仏申せとは、如来の本願に帰して本願を生きる者になれということです。本願は、私たちに「本来のいのちに還れ」そして「いのちあるものと共に生きよ」という呼びかけであり、その働きです。「本来のいのち」に還るまで、私のいのちの満足はありません。先祖の方々の「お念仏申せ」というご催促を受け、聞法させていただきましょう。(住職)


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