ケヤキのかぶてをお洗濯

12月2日、13日

庫裏の玄関正面に飾ってありましたケヤキの株は、
本堂町の方からいただいたものです。
その方にお会いすると、
 「玄関を通るたんびに、カブテを手でなでくり回して行くんやざ。
 そうすれば、カブテがつやつやになるで。」
と言われていましたが、不精者の僕はちっともいいつけを守らずにいたのでした。
嫁に行った娘をいちずに思うご主人、
とうとう、親である私が娘の色つやを出すことにしましょうと、
一時、里帰りをさせることになりました。
いや〜まことにすみません…そしてありがとうございます。(12月2日)

ご主人は、冬の雪降るひまひまに作業を…と思っておられたようですが、
やっぱり正月には間に合わせなアカンということで、
早々に作業を終わらせて運んできてくださいました。(12月13日)
たった10日で、あれだけ大きくて複雑な株を磨かれたのかと思うと、
本当に頭が下がります。

この株手、実に重いものです。
大人5人でやっとだったそうです。
ケヤキは樹木の中でも指折りの堅さを誇りますし、
しかもカブテとして姿をとどめるのは「アカタ」と言って、
材木の外側の白い部分は徐々に腐ってなくなり、
芯の赤くて堅いところだけが残るわけです。
現在の姿になるまでには、何百年という長い年月を経ていることでしょう。
改めて、長い念仏の歴史がしみこんでいるんだと考えさせられました。

ご苦労いただきましたご主人、
ならびに運搬を手伝って下さいました本堂町の皆様に厚く感謝申し上げます。



12月2日、運び出されるシーンです。










12月13日、美しくなって戻ってきたシーンです。