2009 美和子が聞く
武周のお講さま 7月




当番 やまなかさん


夜7時からおつとめ  お茶  法話2席  

今月のお講さまは
カレンダーの言葉「昨日の私も 明日の私も 今の私のすべてです」と
正信偈の「惑染の凡夫信心発すれば、生死即涅槃と証知せしむ」をご縁に進められました。

即、涅槃。
明日、どんなご縁があるか分からない自分。
そのことに気づいたとき、今生きている「ここ」が、お浄土になる。

この「即」が、昔から分かりにくかったのか、
いろんな例えがあるそうです。
「氷」は「とける」ことで即、「水」へと転じます。
「炭団」(炭を練って作られた燃料)は
「火」をつけることで即、「炎」へと転じます。

今回はさらに、鈴木あやこさんの本を読みながら進められました。
末期ガンと宣告され、相次いで両親を亡くされた彼女を、
周りの人は「不幸続き」と、気の毒がられたそうです。
しかし彼女は、とても悲しいけれど、
ご両親が亡くなられたことで、
間もなく自身もかえることになるお浄土に、小さな光が灯ったと感じ、
とても励まされたそうです。
また、遺していく家族に対しても、
自分自身がお浄土に灯る小さな光になることで、
今までとは違う形での関係が生まれることに、
喜びを感じられたそうです。

即、涅槃。
昨日までの私が後悔や欲の塊でも、
明日の私がどうなっていくのか全く分からない身でも、、
それをご縁として頂けたとき、今の私が今、ここで涅槃に転じられる。

私は、お説教を聞きながら、4月に亡くなった父が間際まで、
「南無阿弥陀仏が『お委せしなさいや』と言ってくれてる。
 だから『よろしくお願いします』と頭を下げるんや」
と言っていた姿を思い出しました。

即、涅槃。
一瞬分かったような、分からないような・・・
でも、誰かのうしろ姿から「ん?」と、感じる瞬間、
その一つ一つが「即、涅槃」なのかなぁと思いながら聞きました。

護城 美和子