御内仏の報恩講 聴聞記

1月11日

広いお御堂と違い、お内仏でのお説教は、
マイクを使わないからか、距離が近いからか、
「お説教」というよりは、隣で話しているような感じで、
親近感が湧く分だけ、聞き続けるのにパワーが必要です。

「二河白道」の絵を見ながら、信心についての話を聞きました。
お御堂に向かう長い廊下にいつも掛けてある絵です。
底なしの水や火の河や賊、獣に四方八方をふさがれ、
心細いことこの上ない主人公の「私」が、真ん中に描かれています。
前方に、先人が歩いたと思われる細い道がかすかに延びている、
「いっしょにあるこう」「こちらにおいで」と呼ぶ声に支えられて、
一歩を踏み出す、まさにその瞬間の絵です。

私たちの歩く道はまさに「いばらの道」、周りは敵だらけ。
そんな中にも、よく見れば確かな一本道があるという絵かと思ったら、
実は、その絵全体が私自身だという指摘にドキッとしました。
底なしの河も賊も獣も、阿弥陀様も親鸞聖人も、一本の道も
すべて私の中にあるのかと思うと、
恐ろしくもあり、心強くもあり、とても複雑な気持ちになりました。

護城美和子