2010年 美和子が聞く

武周のお講さま 1月


当番 てがさん

夜7時からおつとめ  お茶  法話2席

2月のカレンダー「死はジッと見つめられない
            でも背を向けることもできない」
正信偈 「慶喜一念相応後 与韋提等獲三忍」

今月は 観無量寿経に登場する「いだいけ」と言う方の話をご縁に
親鸞聖人がおっしゃった「往生する喜び」について進められました。

父が亡くなった春がもうすぐやってきます。
年月が癒してくれると言いますが、
一年経っても私は相変わらず
あの頃と同じ涙を流しながら暮らしています。
しかしこんな私に「その気持ち分かるよ」と声をかけて下さる人がいたり、
もっと深い悲しみの中を健気に生きる人に出会ったり、
苦しんでいるのが私だけではないと感じるとき、
ちょっとだけ力が湧いてきます。
私を支えてくれるのが励ましの言葉ではなく、
同じように悲しんでいる人の心だったことに
私はとても驚きました。

だから、不幸のどん底にいたイダイケが
お釈迦様の悲しみと救われる喜びを感じ取り、
大きなものに包み込まれることで乗り越えていった話、
私は分かるような気がします。
悲しいのが自分だけではないと感じることの有り難さ、
さらにそんな中でも喜びを見いだしている人に出会えたら、
私も「嬉しい」と思うかもしれないです。

たったひとりで亡くなると思うとそれはとても孤独ですが、
今まで同じように悲しみながら、
亡くなっていかれた方が無数にいらっしゃること、
自分も同じところに帰るだけだと思うと、
たしかにちょっぴり心強いかも・・・
でも、いくら心強くても、
絶対に悲しみが薄れることはないと思います。
だから、親鸞聖人もお同行の訃報をお聞きになったとき、
もしかしたら「うれしいこと」と涙を流しながらおっしゃったのかな・・・
と思いながら聞きました。