2011年 美和子が聞く

武周のお講さま 12月


当番 そうべさん

午後7時からおつとめ  お茶  法話2席

今年最期のお講さまは、来年の干支、「竜」のお話しでした。

西雲寺の向拝(ごはい)には、左右に竜の木彫があります。
(お御堂の階段の上あたりです)
もともと雨を降らせる神様、荒くれ者の龍神が、
なぜお寺に飾られているのかという疑問をご縁にして進められました。

お釈迦さまの時代に竜神が仏教に出会って、
以後、仏法を護り、広める仕事をされたという話が残っているそうですが、
では、なぜ想像上の龍がわざわざ仏教の中に登場するのでしょうか?

親鸞上人も「現世利益和讃」の中で竜神に触れられているそうですが、
仏法にであっても、美しい姿にならないまま、なんまんだぶつを称えていた龍が、
煩悩を抱えたまま、「なんまんだぶつ」と手を合わせる私たちに似ていないかと指摘されました。

私があの彫刻の存在に気がついたのは、
お寺に暮らし始めてしばらくしてからでしたが、
夜、窓越しに見えるあの恐ろしい顔が怖くて、
見ないようにしながら廊下を通っていたことを思い出しました。

まさか、私もあんな姿だなんて、驚きです。
しかも、ナンマンダブツの水に浸かっても美しくなれないのですから、
それはまさに絶望的!!

お説教の後、あらためて窓を開けて眺めてみました。
竜があの恐ろしげな口で「なんまんだぶつ」と言っているのかと思うと、
なんとも悲しげな姿ですが、
それでも外見に関係なく、龍は救われていたのかもしれないと思うと、
ちょっぴり羨ましい気がして、複雑でした。